電磁鋼板のミルシート(検査証明書)の読み方
ミルシートは、各コイルとその実測特性を結びつける書類です。本記事では重要な項目と、コイルを生産に投入する前に確認すべき点を説明します。
当社が供給する電磁鋼板コイルには、すべて宝鋼が発行したミルシートが付き、加工後は当社の検査成績書も添付されます。ミルシートを読まずにファイルしてしまう購買担当者は少なくありません。主要項目に数分かけるだけで、誤った鋼種や公差外のコイルがプレスや鉄心積層ラインに届くのを防げます。

ヘッダー:発行者、製品、準拠規格
ミルシートの上部には、発行製鉄所、証明書番号、製造日と発行日、品名、規格が記載されています。宝鋼の方向性電磁鋼帯の場合、規格は通常、社内規格 Q/BQB 485(フルプロセス方向性電磁鋼帯、2023 年版)または国家規格 GB/T 2521.2-2016 です。無方向性電磁鋼帯は GB/T 2521.1-2016 または対応する宝鋼規格で認証されます。図面で IEC 60404-8-7 などの海外規格が指定されている場合は、納品後ではなく発注前に相当鋼種を取り決めてください。
識別情報
- コイル番号とチャージ番号:以後すべての記録のトレーサビリティの鍵です。
- 鋼種名(例:B30P105、B35A250)と、認証の根拠となる規格。
- 公称板厚、板幅、コイル正味重量。
- 被膜の種類、契約番号、仕向地。いずれも注文内容と一致している必要があります。
磁気特性
方向性電磁鋼板の場合、ミルシートには 1.7 T・50 Hz での鉄損(P1.7/50、W/kg)と 800 A/m での磁気分極(J800 または B800、単位 T)が記載されます。無方向性電磁鋼板では通常 P1.5/50 と J5000 または B50 です。実測鉄損が鋼種の最大許容値を下回っているか、また試験周波数が設計と合っているかを確認してください。60 Hz 市場では P1.7/60 または P1.5/60 の値が必要です。
これらの値は、IEC 60404-2 に準拠した GB/T 3655 に従いエプスタイン試料で測定されます。方向性鋼では試料を圧延方向に、無方向性鋼では圧延方向と直角方向に半数ずつ採取し、板全体を代表する結果とします。同じ鋼で作った鉄心の損失はミルシートの値より大きくなります。切断、積層、接合部が損失を増やすためです。この差がビルディングファクターであり、ミルシートの値と完成鉄心の試験結果は比較するものであって、一致を求めるものではありません。
寸法と絶縁被膜
- 板厚偏差と、記載がある場合は幅方向のクラウン。
- 占積率。鉄心の有効鉄断面積に影響します。
- 被膜の種類と絶縁抵抗。溶接または接着で固める積層鉄心では特に重要です。
- 無方向性鋼の場合:降伏強さ、引張強さ、伸び。打抜き加工の参考値として使われます。

入荷時の 5 分間チェック
- ラベル、ミルシート、パッキングリストのコイル番号が同じであること。
- 鋼種、板厚、幅が発注書と一致していること。
- 設計周波数での鉄損が鋼種の最大値以下であること。
- 梱包に損傷がないこと。冷えたコイルは室温になじませてから開梱し、鋼板表面の結露を防ぎます。

加工後に当社が追加する情報
スリットまたは打抜き後、当社の検査成績書には各スリットコイルまたはコア材ロットの加工寸法、かえり高さ、元コイル番号が記録されます。ミルシートと合わせて、製鉄所のコイルからお客様が受け取る部品までの完全な記録となります。

